Astrological Academy


ラオ先生の雑誌記事の紹介(3)〜シュクシュマダシャー〜
Journal of Astrologyの最新号に面白い記事がのっていたので紹介したい。

普通我々がダシャーを見る時、マハーダシャーとアンタラダシャーは見るがさらに細かいプラアンタラダシャーやシュクシュマダシャーまでは見ない。ここまで見るにはかなり正確な誕生時間を知る必要もある。そんな理由で1週間単位で動くシュクシュマダシャーについての検証例は少ない。

シュクシュマダシャー
※シュクシュマダシャーロードは金星である。

しかしここに面白い事例がある。1972年8月9日午前11時11分生まれの女性のチャートであるが、夫が大学で栄誉を受けるので一緒に旅行した所、本人までも思わぬ栄誉を受けてしまったという事例である。こ時の彼女のシュクシュマダシャーは金星である。女性が栄誉を受けた時、金星は名誉の意味する9室にあり、木星によってアスペクトされている。ナヴァムシャでは金星は小旅行を意味する3室にあり凶星からのアスペクトはない。トランジットでみても、金星は自身のハウスである天秤座に在住し、11室ある5室支配の土星から金星に向けて3番目のアスペクトをしている。金星の幸運状態は高いと言える。シュクシュマダシャーロードの金星がよい作用をする条件が整った状態にある。

金星シュクシュマ時のトランジット
トランジットチャート

| Journal of Astrology | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
インド占星術と古典占星術
インド占星術を勉強の傍ら、西洋の古典占星術の本を時々読むことがある。
古典占星術はインド占星術とよく似た所があるというのが実感である。
プロジェクトハインドサイトと言って、ラテン語やアラビア語で書かれた占星術文献を英語に翻訳しようとする試みがある。それによってギリシャ古典占星術がどのようなものであったか知ろうとする計画である。その活動に従事しているある研究者もインド占星術と古代の占星術はお互いによく似ていると書いている。

外惑星を使用しない、惑星の高揚減衰等のdignityを重視する、惑星の特定の度数に特別の意味をもたせる、ハウス展開の技法、アスペクトは惑星間ではなくハウス間で成立する、特殊な状態のコンビネーションの存在、ダシャーに対してフリダリアと言う技法が存在した(どういわけか近世で消滅してしまったが)等々、もし古典占星術がサイデリアル方式を捨てていなければかなりの類似性があると思われる。インド占星術のシャドバラやアシュタカバルガ、古典のエッセンシャルディグニティのように視点は違っても惑星の強さを点数化する所も似ている。大きな違いはインド占星術がナクシャトラとヨガを用い、古典占星術がアラビックパーツを使用する点だろう。

メソポタミアのカルデアに源流をもつ占星術は、ヘレニズム時代にギリシャにわたりそこでハウスシステム等の論理化が行われた。一方、インドにはナクシャトラ(月の星宿)という占いが存在し、ギリシャ古典占星術がインドに伝わり両者が数百年の歳月を経て融合化されてできたのがインド占星術である。そういう意味では異母兄弟のようなもので、似ているのが当たり前である。インド占星術の古典の一つである「Yavanajataka」はギリシャ占星術テキストを紀元150年頃にサンスクリット語に翻訳したものと言われている。 もっとも、実際の鑑定法はまったくちがうが。

技法も似ているが何よりも占星術に対する姿勢が真摯でクールである。ミーハー的な開運法など脇に置いて、ただひたすら予測の精度を上げるべく研究する。世の中全体が、そして占いの世界でも軽くて安直なものがもてはやされる中でこの2つの占術だけは、世の中のそんな風潮に背を向けるかのごとく超然としている。そんな点も実によく似ている。

essential dignity
essential dignityの表

私は最初は、古典主義者の偏狭な所が嫌いであった。今でも好きではない。自分の好き嫌いは別にして、いろいろなタイプの占星術があっていいと思う。しかし、自分がまともにリーディングができないことの言い訳に「当てるだけが占いではない」等とうそぶく輩よりははるかにいい。占いは当たってこそなんぼのものであって、カウンセリングでも精神分析でもなんでもない。外国では心理占星術を専らにやる人でもまともなリーディングはできる。霊能、まじない、根拠のない風水グッズ&宝石売り、遊び半分の占いコンテンツ、くだらない占い本、やらせの占い番組等々、あまりにも占術業界は乱れている。そんな実態を知るにつれて、占いに対するクールでひたむきな姿勢を保持している古典派に段々好感を持つようになった。もちろんモダンはモダンで優れた技法があることは言うまでもない。

| 占星術全般 | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
ムフルタ(1)〜結婚式の日取り選定〜
占星術では何事もスタート時が重要となる。ラーシチャート、プラシュナ(ホーラリー)、イベントチャート、マンデーンチャートみなそうである。もしある時点を起点としたチャートに吉凶があるとすれば、逆に意図的によき時点を選んで事を起せば、よい結果をもたらす筈である。逆は真であるというわけだ。これをインド占星術ではムフルタ(エレクション)と呼ぶ。

しかし、実際にエレクションを試みてみるとなかなか難しい。ありとあらゆる条件を考慮しなければならないからだ。本当のムフルタはシュクラの日がよいとかナクシャトラで吉日を選ぶというような単純なものではない。それは単なる縁起担ぎ、お楽しみ占いに過ぎない。雑誌や占いコンテンツなどは殆どこの域を出ない。

ジェームズ・ブラハ
J・ブラハ氏の結婚式のホロスコープ

ここによい事例がある。アメリカ人のインド占星術家ジェームズ・ブラハ氏が、彼の著作(The Art & Practice of Ancient Hindu Astrology)の中で、自らの結婚式の例を挙げているので紹介したい。この本も初中級レベルのよい内容の本である。彼はなかなかの愛妻家で、彼のいろいろの著作の中で自分の妻の事例を取上げている。

ブラハの書籍
「The Art & Practic of Ancient Hindu Astrology」

彼がこの時間帯を選択するに当たって考慮して点は以下の点である。

このチャートのもつ強みは以下の通りある。
1 月が新月から満月に向かっている。
2 第1室に木星が在住し、第1室を強めている。
3 よき結婚生活という目的に合致するよう、第7室に「吉星」が入るようにしている。金星と月という吉星が在住している。
4 金星が魚座で高揚している。
5 凶ハウスである8室と12室に惑星が在住しないようにしている。
6 木星と金星/月という生来的吉星同士が対向アスペクトを組む。

しかし、一方でこのチャートは弱点も同時に含む。
1 金星はラーシサンディとなっている。
2 金星の第7室在住は「結婚」というテーマには問題がある。
3 凶星の土星が第7室に3番目のアスペクトをしている。
4 水星が凶星に囲まれている。

もちろん彼はこれらの弱点をできるだけ抑制するように、ホロスコープ上でいろいろ工夫はしている。しかし、この中で彼は、やはり完全によいチャートを作り出すのは不可能と述べている。ムフルタの難しさはやはり完全なチャートを作れない点にある。

| ムフルタ | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
インド占星術のオリジナリティーを保つ
インド占星術の正しい姿を改めて紹介する必要がありそうだ。インド占星術は西洋占星術に比べると惨めになる位、現段階では認知度が低い。インド占星術のわが国おける普及度は、ルルラブアの先生だった潮島郁幸氏が活動を始めた頃の西洋占星術と同じだ。しかし、それだけにインド占星術はまだインドオリジナルの純粋性を比較的保っている。

それに比べると今の西洋占星術の乱れ方はそれはひどいもので、今や何でもありの様相を呈している。私はモダンの西洋占星術の立場であるが、古典占星術をやる人が憤る気持ちが分かる様な気がする。モダンの立場でもまっとうな西洋占星術師は日本のマスコミなど相手にしない。「やらせ」のテレビ番組など出ないし(これも実態はひどいものだ)、海外文献を読み実証研究に取り組む。

インド占星術の愛好者はそういう乱れを嫌う人が多い。だから、インド占星術は現在までの所そういう乱れがない。でも学習態度、取り組み方では随分誤解がある。的中率の高い占いということは、それだけ知的努力を惜しんではいけないという事でもある。妙な神秘主義、瞑想気分、タロット気分で取り組むとインド占星術学習は挫折するだろう。ご利益主義の輩がインド占星術を学んでもそれを理解するまで年月がかかるので当てが外れると思う。インド占星術は短期利益志向では絶対にマスターできない。

それでもインド占星術も徐々にではあるが普及しかかっている。それは大変に結構な事なのだが、それにつれて乱れが出始めていることも目につく。日本に来ると「占い」でさえも商業主義のジャーナリズムに毒される。占い周辺にまとわりつくマスコミ、コンテンツ会社、出版社、ライター、それにオベッカをつかうエセ占い師等々がいる。こうした「占いジゴロ」どもは儲かりさえすれば何でもいいのであって、彼等にとって占いはあくまで「稼ぐ為の手段」である。そんな駄作、偽作をインド占星術と思って高い金を支払うことはやめた方がいい。

乱れ始めたインド占星術について、西洋占星術の轍を踏まない為に、今の内に誤解を解き警鐘を鳴らしておきたい。最近目につく事をいくつか挙げておこう。

1 インド占星術だからと言ってやたら「神秘」を売りものにするのはおかしい。むしろインド占星術の本質は数学的論理的構造をもっている。インド占星術が今一つ普及しないのはこの難解さの故である。それだけにいったん習得すれば高い的中率を誇る事ができる。

2 ナクシャトラ(月の星宿)だけを切り取ってインド占星術であるかの如く言うことは間違いである。ナクシャトラはインド占星術の重要概念だがそれだけがインド占星術と言う事はない。太陽の動きだけを取上げている太陽占星術を西洋占星術とと思い込むのと同じである。

3 宿曜はインド占星術ではない。そもそもナクシャトラの星宿と宿曜の星宿とは計算の基礎がちがう。ナクシャトラは純粋太陰暦に拠り計算をする。

3 インド占星術でムフルタ(エレクション)は重要な部分である。しかし、本来のムフルタは、まずラーシチャートによる診断と処方箋が重要となる。パンチャンガだけが独立して存在するわけではない。ましてや宝石、マントラ、ヤーギャ等はそうした処方箋の上に成り立つものである。そこだけをことさらに取上げて、神秘、開運、ご利益を説くのは「邪教」の教えである。

4 インド占星術だからインドに行かなければ学べないとか、インド人の占星術家だから本物などということはない。まだまだインドオリジンの占星術文献及び優れたインド人占星術家から学ぶべき事は山ほどある。その意義は認める。しかし、インドに行けば分かる事だが、実際は玉石混交である。怪しげな宝石売りなどが沢山いる。インド人占星術家だからと言って直ちに信用してはいけない。

5 インドに行ってインド占星術を学んできたと称していかにも当たるかのごとく吹聴する人物がこれから出てくるかもしれない。しかしそういう輩の言動をそのまま信用してはいけない。インドに行って評判の高いインド占星術師について4〜5年もじっくり学んだ人なら信用してもいいだろう。しかし、単に時々インドに行って1週間やそこらの講習をちょこちょこ受けた程度なら日本にいてもそれ以上の勉強はできる。そんな見せかけのインドブランド等に騙されてはいけない。

6 インド占星術の古典はもちろん読んだ方がよい。古典とまでいかなくても語学に自身のある人なら英語文献はどんどん読んだ方がよい。なぜなら出版文化の貧困な日本では、専門性の高い日本語の占星術文献は今後とも期待できないからだ。

7 だからと言って読んだ文献を鵜呑みにしてはいけない。その理論を基礎にして実際の検証努力をする必要がある。ここが占星術の勉強で重要な所である。理論の吸収とそれの検証努力。ここから新しい発見が必ずある。この努力のプロセスを欠く占術研究者の何と多いことか!

8 その際、独学は避けた方がよい。効率は悪いし間違った方向にいく可能性がある。そこを常に軌道修正してくれるよき師を持ったほうがいい。これは他の占いでもどのような学芸分野でも言える事である。

9 インド占星術は幅も深みもある一生を託するだけの内容のある占術である。他の占術をあれやこれやとかじるだけの占いコレクターがマスターできる代物ではない。占術に真面目に取り組むなら、命卜相を合わせて4つ〜5つ位が常人の能力の限界だろう。それ以上やるとしたら外注占い師と思ってよい。すべての占術のカリスマだなどと称する輩がもし出てきたとしたら、その人物は詐欺師である。「真摯なジョーティシュ研究者に対する悔辱」である。人はおのずと得手不得手がある。ある占いで権威だからと言ってインド占星術でも権威であるわけではい。そういう受け止め方はハロー効果(後光効果)という心理的エラーにすぎない。

10 インド占星術はベーダ思想の補助科学であるから、そのような意味では確かにインド系の宗教と関わる。しかし精神性の高い宗教とカルトとはちがう。インド占星術はカルトとは一線を画する。周易、六壬、気学、姓名学、手相、インド占星術等々カルト教団や詐欺師集団に悪用された占術は多いが、詐欺師が加害者で占術が被害者であることを認識する必要がある。

11 精神性の高い宗教はサットバな生き方を人に勧めるだけである。つまり「徳のある行い」と神への謙虚な信仰を勧めるのみである。お布施を強要したり信者数を増やすことに狂奔したり、天国行きを金で買う様な事を是認しない。

12 アガスティアの葉など明らかにインチキである。個別のアガスティアの葉の検索に2時間かかるのではない。まだパソコンの普及しないインドではホロスコープは手計算で行うので2時間かかるのである。

13 インド占星術は占い館で20〜30分間のチョイの間でできる占いではない。短時間でやるとしたらおのずから限界がでる。それでも霊能者を自称する怪しげな人物のする戯言よりははるかに的確である。占い館で霊能者と称する輩の90%以上は妄想患者である。本物の霊能者など滅多にいない。そういう人はそのような場所では働かない。

14 インド占星術の高い的中率は、300円や400円の「占いコンテンツ」では絶対に期待できない。インド占星術は複雑なロジックをもつのでまともにやろうとしたらプログラムの時間、コストがかかり過ぎる。そこで下手に簡約化すれば精度はまったく落ち、インド占星術本来の切れ味はなくなる。こんなものは単なるお楽しみ占いに過ぎない。占いコンテンツ会社と占い師及び占いライターの生活を支える手段になっているのが現状だ。

15 インド占星術とヴァシュトゥ(インド風水)は共通する部分もあるが、基本的に別の占術である。これを一緒に考えてはいけない。詠唱もマントラもホーマ(護摩)もヤントラもインド占星術と直接の関係はない。
| インド占星術 | 00:07 | - | - | top↑ |
自民党総裁選予測(麻生太郎の当否)
福田首相の突然の辞任で、自民党総裁選が9月22日に急遽行われる。下馬評では麻生太郎氏の優勢が伝えられるが、占星術でみるとどうであろうか。麻生太郎氏は1940年2月20日福岡県飯塚市生まれである。生まれた時間は不明である。この範囲で予測を立てるので予測精度には限界が出るがやってみることにする。

麻生太郎                                                    麻生太郎氏のラーシチャート

3要素からみても4元素からみても「火」のサインやカーディナルサインが優勢で、守りに回るより打って出る性格の人である。ラーシでもナヴァムシャでもPKとDKがジャイミニアスペクトを組むのでこの人の才能を常に活かし支えようとするパートナーに恵まれる人でもある。しかし、シャドバラにおける土星の点数の低さが気になる。部下を如何に育て活かしていけるか、これがこの人の政治家としての今後の課題である。

          麻生太郎トランジット
          9月22日現在のトランジットチャート

現在土星トランジットは獅子座にあり、ここにネイタルの木星もトランジットの木星もアスペクトしている。木星トランジットはラーシの牡羊座にもアスペクトしていて、太陽からみた8室を強めている。思いもかけぬ僥倖が転がり込んできたと言えよう。8室のある土星は減衰であるが、月とコンジャンクションでニーチャバンガ、また6室支配であるのでヴィーパリータラージャヨガともなる。推測ではあるが現在のアンタラダシャーは土星期である可能性が強く大いに発展できる時期となっている。水星もラーシ、トランジットのどちらも高揚の位置にありそこに太陽がコンジャンクションしている。社会的幸運の時期であることは間違いない。
              麻生太郎(プログレス)
麻生太郎のネイタル対プログレスの位置表示

一方、西洋占星術でみるとどうであろうか。彼のプログレスチャートをみると政治家に重要な太陽プログレスと仕事にかかわるMCプログレスのどちらもが力強さを示ネイタルの冥王星と見事なトラインと形成している。これは現在の彼の運気を強力に支える。

このプログラスの支えを前提としてハーフサム表示をみると、45度法ハーフサムで太陽プログレスは19度71分にあり成功軸(木星/MC)にジャストコンタクトしている。木星トランジットも12度57分にあり同様に成功軸(冥王星/Mc)13度82分にこれからコンタクトをしようとしている。海王星トランジットや土星トランジットの動きをみても特にマイナスとなる要素はない。実によい配置である。

これら全体を見てくと、今回は麻生総裁、新総理誕生は間違いのないところである。10月26日を衆院選と予定しているようだが、そこで勝てるかどうかは小沢一郎も含めて改めてみていくことにしたい。
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