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トランスパーソナル心理学とカルマ

 トランスパーソナル心理学とは、1960年代に誕生した新しい心理学の新しい潮流である。行動科学、行動主義心理学、精神分析、人間性心理学に続く第四の心理学でいわゆるニューエイジの流れをくむ。人間性心理学における自己概念の概念をさらに発展させている。人間の究極的な目的とは、自己を越えた何ものかに統合されると考え、そのための精神統合の手法を開発した。現在、心理療法として大学での講義も行われているが、まだ科学の条件である再現的説明には弱く、そのような意味で強い批判がある。しかし、その主張はスピリチュアリズムを越えたものであり、カルマ論、密教に近いものがあると思われる。

インド占星術は転生輪廻のカルマを前提としており、悪い運命と判断された時それをどう受けとめ生き抜いていったらよいかしばしば問題になる。そんな時にトランスパーソナル心理学の考え方は納得いく答えを用意しているように感じられる。

トランスパーソナル心理学では「人が本当の生きる道」を以下のように説明する。以下、「運命の道は見つけられる」(サンマーーク出版)からの引用である。

多くの人は気づいていないけれど、どんな人にも、その人が生きなくてはならないもう一つの「本当の道」がある。どんな人のどんな人生にも、本当はそれを生きなくてはならない、その人だけの人生のシナリオが与えられている。そしてそれは見えない世界でその人に発見され、実現されるのを待っている。あなたを含むすべての人は、実はこの「見えないシナリオ」を実現するために生まれてきた。

「見えないシナリオ」を「カルマ」という言葉に置き換え、その「見えないシナリオ」はホロスコープによって示されると表現すれば、まさにインド占星術の人生観になる。自己のカルマを認め、カルマを自覚するところから人生は始まるという考えは、近代に生まれたトランスパーソナル心理学によって見事に説明されている。ここにこそ自己中心的な甘えを排除した本物の「癒し」の哲学がある。だからこそ人生を的確に予言しその転ばぬ先の杖となりうるのだ。

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リーダーシップ(1)〜素質論と行動主義の違い〜
占術においては人物像の基本は「素質論」である。勇敢、有能、善良、聡明、言語能力、対人関係能力等々はすべて基本的には本人の素質で決まる。人間の性格や才能、ひいては運の強弱は宿命、カルマ、遺伝で決まる。そこにあるのは決定論である。占術にも「開運法」というもはあるが、それは本人の宿命、カルマの範囲内での運命改善である。それを逸脱した開運法は信用に値しない。

その中で現代西洋占星術は性格、運命について心理的改善を試みようとする動きがある。人生を楽観的な方向に考えるという点は評価できる。「笑う門には福来る」という諺は多分本当だろう。しかし、その方法論となると、現時点でははなはだ心もとないというか怪しげでさえある。少なくとも私の目にはそう映る。まだまだ未知の分野で今後に期待したいところだ。

占術の主張する「素質論」科学的心理学の主張する「行動主義」は水と油でまったくかみ合わない。代表的な例は「リーダーシップ論」である。占術の立場に立てば、リーダーシップは生まれつきの素質やカルマで決まっている。占術で人間が変わるというのは、ダシャーや大運等の中長期的運命サイクルの範囲、流れの中でもたらされる。それは一見、性格や気質が変わったように見えるが、ホロスコープや命式で生時に約束されていたことが、時系列的変化で現象化したに過ぎない。それを裏付ける検証データはあまたある。それはけっして偶然とは言えない。

それに対して科学的心理学ではリーダーシップは正しく自己の長所欠点を認識し、それを是正する方向で「行動変容」をかけていけば、「性格」は変化しなくても「リーダーシップ能力」は伸ばせると主張する。実際、経営学や産業心理学の分野ではそれを裏付ける実証研究事例を豊富に持っている。内気で人見知りする少年が立派な経営者に変身することは稀ではない。この立場からすれば、悲観的な暗示を与える占いなど、「百害あって一利なし」ということになる。素質やカルマなどいくら主張しても、それだけでは現実の問題解決にならない。自分自身が占星術師でありながらこの主張はよくわかる。だからといって根拠薄弱で他力本願な開運術や癒し療法に走ることも反対である。そんなことより科学的な能力開発の方法論の確立こそ望まれる。

それは基本的に相矛盾する主張である。私自身の研究経験ではどちらも正しいと思う。しかし両者を矛盾なく統一する原理は思いつかない。それをうまく説明してくれる理論も今の所知らない。黴のはえたユング理論やカルマ論、うさんくさい開運論、その逆の極端な行動主義の立場等、いずれも納得性に欠ける。
 
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