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ナクシャトラについての考察(1)〜宿曜経との関係〜
ヴィムショッタリダシャーの所でも書いた通り、このダシャーの計算根拠になっているのは月のナクシャトラ(月の星宿)である。ナクシャトラはギリシャ占星術がインドに伝わる前にすでにインドに存在していたインドオリジナルの占いである。インド占星術の起源をどこに求めるかについてはいろいろ議論が分かれていて、ホロスコープも含めてすべてインド起源であると主張するインド人占星家もいるが、ここの本題ではないので、この話しは別の機会にしたいと思う。

インド占星術の影響を強く受けていると思われる中国系占術として、宿曜経、七星四余、紫微斗数等が挙げられる。もちろんそこには他の要素の影響も入っている。

いずれにしてもナクシャトラはインドにもとから存在する古い占星術の体系である。日本には中国を通して「宿曜経」という名称で入ってきている。宿曜にはナクシャトラ以外の要素も入っているが、ナクシャトラの中国的変化部分がその主要な要素を占めていることは間違いない。空海とその弟子円仁が主に伝えたものである。そのためか真言宗を始め天台宗、日蓮宗等密教を行う宗派では古来より宿曜が檀家への相談事等でよく用いられている。ホロスコープについても密教寺院では星曼荼羅という形でも伝わっている。羅喉、計都という言い方は明らかにラーフ、ケートゥを意味するものである。しかし、日本ではホロスコ−プの使用は早い内に廃れてしまい、月の星宿だけが使用されるようになった。要するに宿曜の内「宿」の部分だけが残り「曜」の部分は使用されなくなってしまった。

ナクシャトラ
12サインとナクシャトラの関係

それではナクシャトラ=宿曜経かというとそうではない。ナクシャトラは純粋太陰暦で計算するが、宿曜は太陽太陰暦を基本として計算する。そのために個人の月の星宿の位置がずれてきて必ずしも一致しない。おそらくインドから中国に伝わった時点で中国化されたものだろう。普通、宿曜経は27宿と称されるが、中国ではこれと別系統で28宿と称するものも存在する。インド占星術でも通常は27ナクシャトラであるが、ある流派では28ナクシャトラにしているところもある。この話しもここで話したい趣旨ではないので論じるのは又、別の機会に譲りたい。

そういう訳で理論的には、アシュヴィニーは婁宿、バラニーは胃宿、クリティカーは昴宿に対応するのであるが、実際の暦では一致していない。ヒンドゥー暦と中国の太陽太陰暦とでは同じ日でもナクシャトラと月の星宿は一致していない。そういう意味では宿曜経=インド占星術の一部とは言い難い。インド系中国占星術という言い方が正しい。ただそこに用いらている相性や日の吉凶の見方はインド占星術の「ムフルタ」の理論の中で述べられている技法とほぼ一致する。そして不思議なことに宿曜経は計算の拠り所がちがってもその範囲内であればよく当たると思う。

相性や日の吉凶の範囲内ならよく当たると言ったが、日本で行われている宿曜がその範囲を出ないことが問題なのである。インド占星術の一部を構成するムフルタのその又一部だけが、日本では使用されている。インドオリジナルのナクシャトラの本を読むと、もっと複雑でもっと深い読み方をする技法に溢れている。単純な日めくりカレンダーの内容ではない。しかし今のところナクシャトラと言うと「相性占い」とヴィムショタッリーダシャーの計算根拠位にしか思われていないのは残念である。実は知識の宝の宝庫として眠っている状態である。私もこれから本格的なナクシャトラ研究をしていきたいと思っている。
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コメント
私は真言宗の僧侶です。これまで宿曜経とインド占星術の関係が今ひとつ分かりませんでしたが、本多先生のブログを読んでよく分かりました。私もインド占星術を勉強したいと思います。その節はよろしく御願い致します。
| 識 | 2008/03/28 1:44 PM | top↑ |
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