Astrological Academy


CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
医療占星術(12)〜海外での先進医療を受ける人〜
 近年は医療分野でも国際化が進んでいる。例えば、優れた先進医療を求めて海外で治療や手術を受ける例が増えている。或いは公的健康保険がないアメリカでは医療制度が整っている隣国のカナダに行って治療するケースが多いという。知り合いのさる医師の話によれば、日本の医療行政はどういうものか新薬の認可に慎重と言われている。この為、急を急ぐ難病患者は有効と言われているが日本ではまだ認可の下りない手術、新薬、治療法を求めて海外で治療を受ける人が増えている。

しかし、海外で先進医療を受けるには、まだまだお金がかかる。現段階では金持ちか周囲の人の協力で資金を得た人だけが海外で治療を受けられる段階にある。

外国での病気治療
海外で先進医療を受けた人

上記は海外で眼病の先進治療を受けた人のホロスコープである。やはり経済的に恵まれていることがホロスコープでもうかがえる。1室の木星は方角を得ており、10室では友好星の金星が在住している。そこに土星がアスペクトバックもしている。ナヴァムシャをみても木星、月は1-7軸でできるガジャケサリヨガであり、10室には太陽、金星がある。社会的には成功者である。現在はこういうチャートの持ち主でないと、海外の先進治療をうける財力が及ばない。

海外での病気治療D9
ナヴァムシャチャート

しかし、健康には確かにいろいろ問題がある。まず金星は2,7支配のダブルマラカである。逆行の火星が8番目のアスペクトを金星にかけている。旅行を表す減衰8室の月から海外や外国を意味する2室のラーフに向けてアスペクトしている。ラーフにはこの他に凶星の太陽、土星、ケートゥと凶星がアスペクトしている。因みに2室は右目を意味し、牡牛座ラーフのディスポジターである金星は前述の通り、ダブルマラカである。月はラーフからみて7室にある。これも海外を意味する。ナヴァムシャではラーフからみて12番目に眼を表す太陽と金星がある。太陽は4室支配であり火星は8番目のアスペクトを4室にかけている。

この人が海外で目の手術を受けたのは、ラーフ/月期であり、その手術の為にアメリカに行った時である。このように、ラーシチャートで海外を表すラーフ、旅行を表す月、目の疾患を意味する2室と金星というカルマが見られるが、それがラーフー月の時期に見事に現象化している。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
インド国際コース講義(2)〜寿命と健康〜
今回の講習で私がもっとも驚愕したのは、ヴィナイ・グプタ先生の医療占星術の講義中に紹介された一つのホロスコープである。驚いたのは私だけではない。おそらく受講生全員だろう。各先生方は事例紹介を説明する前に、たいてい「このホロスコープをどう読みますか?」と質問をしてくる。そうすると、饒舌なインド人受講生はすぐに正しくても間違っていてもすぐに意見を言い始める。まさに昔アメリカのビジネススクールで経験したことと同じである。そこでも教授がケーススタディについて質問するとすぐに手をあげて、でたらめの英語ででたらめの意見をまくしたてるのはインド人とアラブ人であった。

しかし、でたらめでもなんでも意見を言った方が勝ちである。ホロスコープのリーディングでもよく理解していなくも、いくつかは結果として正しい指摘ができるものである。だが、下記のホロスコープに関しては、私も含めて全員が外してしまい全滅状態だった。

バラリシュタ
バラリシュタコンビネーションの事例

みなさんはこれをどう読むだろうか。正しく読める人なら、もしこのBVBのコースに参加したらきっとトップクラスになれるだろう。一目見れば分かる通り、火星、金星、太陽、月、木星と全部高揚している。こういうホロスコープはちょっと見ることがない。インド人の受講生は鬼の首でも取ったかのごとく得意げに素晴らしいチャートであると異口同音に言っていた。しかし、グプタ先生は首を縦に振らなかった。そうなのかなと思ってこのホロスコープをよく見ると、金星と太陽がちょうどムリュチュバーギャの度数と重なっていた。金星は2、7のダブルマラカ支配、火星はムルチュバーギャの太陽に4番目のアスペクトしかつ太陽支配の獅子座にも8番目のアスペクトをかけている。月もマラカの2室に在住しパーパカルタリヨガとなっている。私がそのことを指摘すると彼は始めて肯いた。それからドレッカナチャート、ナヴァムシャチャートを始め複数の分割図をすべて取り上げでおもむろに説明を始めた。ラーシチャートで凶星化している惑星が分割図でどのように作用しているかを語り始めた。ラーシチャートとヴァルガ(分割図)の関係性の重要さをしきりに強調していた。出てきた結論はどうであっただろうか。

私がこのホロスコープに対して「バラリシュタコンビネーション」と寿命にかかわる名称をつけてところがヒントである。すべての分割図を分析してみていただきたい。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(2) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(11)〜眼病に苦しむ人のホロスコープ〜
誰もが健康は気になるところである。実際に健康について聞かれることは多い。正式の病名の決定や治療法の選択は明らかに医師の領域である。代替医療による体質の強化はまでは許されるが、それ以上の治療そのものにまで占い師が踏み込むことは絶対にしてはいけない領域である。しかし、原因不明の病気の大まかな病因、遺伝的体質、治療時期、医師の選択、回復の可能性等々、医療占星術が貢献できる分野は大きい

下記は若いにも拘わらず眼病に苦しんでいる人のホロスコープである。

眼病1
眼病の人のホロスコープ

この人は「失明」の恐れのある眼病に苦しんでいる。「目」とかかわるすべての惑星とハウスが傷ついている。まず月は6室に在住し凶星のケートゥとコンジャンクションしている。目の象意をもつ太陽は8室にある。マラカの7室にある金星は逆行の土星によってアスペクトされている。2室は8室在住の太陽からアスペクトを受けている。12室は病気の6室から、火星と月からアスペクトを受けている。

眼病
ナヴァムシャチャート

次に第9分割図(ナヴァムシャ)をみてみよう。太陽は土星によってアスペクトを受けている。月は火星からアスペクトされ8室に在住する。金星は6室にあり、2室には火星がある。その他ここでは省略するが、ドレッカナ、ドゥバダシャムシャにおいても「目」にかかわる惑星及びハウスが傷つけられている。このようにラーシチャートだけでなく分割図でも同じような特徴が再現化されると、ラーシチャートの示す傾向は決定的なものとなる。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(10)〜アリシュタヨガと乳幼児の死亡〜
インド占星術で寿命計算ができると言うと、多くの人が興味を示す。これは古代インド社会の高い乳幼児の死亡率と関係が深い。子をもつ親にとっては、出世するかどうかより無事に育つかどうかがまず第一の関心事である。実際に寿命計算の技法をいくつか見ると、その多くは幼児期の寿命計算に多くの頁を割いている。

日本の乳幼児死亡率は非常に低く、2002(平成14)年には、3%まで減少し、世界のトップクラスになっている。これに対してインドの乳幼児死亡率は2008年で5.8%とまだ高い数字である。医療、栄養、衛生の不十分な古代社会では、如何に乳幼児死亡率が高かったかは想像に難くない。

病気、事故、災難にある不吉なヨガを「アリシュタヨガ」と呼び、いろいろなパターンがある。不幸にして生日後8日目で死亡した幼児のホロスコープをみてみよう。

アリシュタヨガ〜乳幼児の死亡〜
生日後8日目で死亡した幼児のホロスコープ

太陽、月、ラグナロードの金星を含む5惑星が4室に集中している。他の4惑星は太陽とあまりに近い位置にある。太陽7度23分に対して、火星7度33分、金星7度49分、月10度26分、水星12度12分と非常に接近している。いずれもコンバストの度数である。金星は凶星の火星からアスペクトを受けている。4室はマラカの7室から土星のアスペクトを受け、更にドゥシュタナの12室在住の木星からもアスペクトを受けている。ラグナロードの太陽と月は完全に傷つきを受けている。ラグナロードの金星、月、6室支配の金星、7、12室の火星とアリシュタヨガの条件が揃っている。

この幼児は生日後8日目で死亡したが、因みにこの時のダシャーはケートゥ/土星/太陽期である。アセンダントからみて土星は7室、太陽と月から見てケートゥは2室、太陽が火星、金星、水星、月を大きく傷つける働きをしている。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
インド占星術で寿命計算ができる〜幼時の死亡例〜
インド占星術で寿命計算ができるということを聞くと異常な興味関心を示す人がけっこういる。しかし、私はそんなことにさしたる興味はない。自分がいつ死ぬか、身近な人がいつ死ぬか、そんなことに興味をもつかねぇ、という想いの方が強い。そもそも占い師はそうそう簡単に人の寿命について告知してはいけない筈である。

そもそもインドは今でも乳幼児の死亡率の高い国である。ましてや古代社会なら乳幼児はかなりの高率で死亡したと考えられる。そこ当時の幼児をもつ親としては、子供が出世するかどうかということよりまず無事に育つかどうかということが最大の関心事だったことだろう。きっと占星術師に「この子は無事に成長するか?」と言う質問をした人は多かったにちがいない。勢いそういう社会的ニーズがインド占星術に寿命計算という技法を発達させたと推測する。

「バラリシュタ」と呼ばれる寿命計算の方法は確かに存在する。その理論に従って検証を進めるとよく当たっている例が多い。しかし、まさに「紺屋の白袴」で私自身の寿命計算をしたことはない。こわいというより、そんなことを気にしたってしょうがないだろうという気持ちからである。

幼児の死亡
生後26日目に事故死した幼児のホロスコープ

これは生後26日目に事故死した幼児のホロスコープである。ざっと眺めると典型的な短命のホロスコープである。ラグナと月の位置から計算するバラリシュタの寿命計算では、32歳以下の寿命である。

火星、月がともに第8室に在住している。どちらも病弱、短命の表示である。そこに凶星の土星がアスペクトしている。この第8室は月、マーラカ、ドゥシュタナが絡むので、病気、事故、死の表示であるアリシュタヨガが成立する。更にアリシュタヨガは第9室にも成立する。9室の幸運の功徳をこの幼児は得られないのだろう。

夭折時のダシャー
夭折時のダシャー

この幼児は生まれて26日目に死亡したのであるが、これがその時のダシャーである。短命表示の月のマハーダシャー、月からみてマーラカの2室にある生命の象徴の太陽のアンタラダシャー、事故死の表示である火星がプラアンタラダシャーの時と3重に重なっている。この時のトランジットをみてみると、トランジットの火星が乙女座にいて、そこから牡羊座に8番目のアスペクトを投げかけている瞬間でもあった。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
性同一性障害の人のホロスコープ
一般人には理解しえぬものと受け止められているいわゆる性同一性障害とは、占星術で見るとどのように出てくるものだろうか?これは単なる出歯亀のぞき趣味で扱うものではない。本人の精神的苦痛と適切な治療の参考に占星術が役に立てないかという視点からである。浮ついた心理占星術ではなく、占星心理学の開発(2009.11.08)の立場からである。ここで紹介するのはその一例にすぎないのでこれだけでは何とも言えない。だが、少し事例を集めていけば何か治療の参考になる手掛かりは得られると思う。

性同一性障害
性同一性障害(男性)のホロスコープ

このホロスコープで目につくのは太陽のひどい傷つきである。この太陽はブログでは分からないが天秤座のジャスト10度にあり減衰度合いの最もひどいものである。更に、ラーフから5番目、土星から10番目と凶星のアスペクトを受けている。天秤座の中でも水星、金星という中性、女性を表す惑星に囲まれている。太陽は言うまでもなく男性原理の惑星である。その太陽がこのように傷ついているというのは、男性でありながら精神的には男性の意識が持てないことを意味する。更にこれが3室というカーマトラインにできていることも問題である。この人がモクシャトラインが強ければ、性(セックス)の問題は大して意識はしないだろう。だが、一般的には強い性欲をあらわすカーマトラインが強いとなれば、この人はきっと肉体と心のあり方のひどいギャップに苦しむことだろう。

だから男性のシンボルをカットして女性になる?ことを認めるべきだという意見も一理ある。しかし、どう考えても健全な姿ではない。その人が男性原理をもてないとしたら何が原因なのか。もしカルマが原因だとしたら、その時は「前世療法」が役に立つだろう。要は使い方だ。心理学は占星術の婢(はしため、召使い)であると、私はかねがね主張している。逆ではない。つまり占星術を優位にし心理学を道具にするべきという意味である。

性同一性障害の出かたはこれだけではないと思うので、機会があれば占星術的立場から研究を進めてみたい。


この記事のリンク | 医療占星術 | comments(3) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(9)〜先天的知的障害者〜
生まれながらに3重苦を背負っていると言うと、視力、聴力、会話能力を失ったヘレンケラーを思い出す。しかし、世の中には生まれながらに不幸なハンディキャップを背負っている人はいるものである。大変気の毒で同情の念に堪えないが、占星術の研究上は貴重な事例ではある。これはastro data bankより見つけたデータである。信頼度はRodden Rating でAAなので信頼性は高い。

知的障害者
先天的知的障害者のホロスコープ

まずこのチャートは典型的なアリシュタヨガが成立する。1室支配の太陽がドゥシュタナの6室に在住する。マーラカの2室支配の水星も山羊座にあってコンジャンクションしている。月ラグナで見た時、今度は金星が1室、6室支配で8室在住となり太陽とコンジャンクションする。太陽は敵対星座にあり金星はムリュチュバーギャである。2重、3重にも重なる典型的なアリシュタヨガである。こういうチャートを持つ時、病気、事故、死の象意は明らかに現象化する。この人は知能指数が低く、容貌も醜い。その上、自動車事故にあい下半身麻痺の状態にある。

しかし神様はよくしたものでこの人にはちゃんと救いを与えている。月は高揚し強い生命力を与えている。このような不幸な出生であっても、逞しく生き抜く明るさや生命力がある。月からみた12室には木星があり最低限度ではあるが、それなり幸福は与えてくれている。土星はムーラトリコーナの位置にあり、困難に耐え抜く力をもたらしている。

障害者D9
ナバムシャチャート

この人はナバムシャが又よい。木星と金星はアスペクトバック、土星は定座にあり、水星はハンサヨガである。土星がラーシチャートで強力であることと考え合わせるとこの人の真価は40歳以降に発揮される筈である。絶望の淵から立ち上がる頼もしさを感じる。

こういうチャートをみると私はクリスチャンではないが思わず聖書の一節を思い出す。そして強い教訓を与えられる。「神は人が耐えられない苦しみをお与えにはならない」のだとつくづく思う。マタイ伝ではこうも書いている。「 野の花を見よ。何を食べようか、何を飲もうか思いわずらうな」「 明日のことを思いわずらうな。一日の苦労は、その日一日だけで十分である」苦悩の人生を歩む人には正しい信仰は確かに生きる力を与えてくれるだろう。そして占いも現実逃避や我欲の満足ためにではなく、よりよい生き方の為に上手に利用すればよい。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(7)〜寿命計算の方法〜
インド占星術に寿命計算の技法があると聞くと、占いマニアの人達はえらく興味を引くようだ。しかし、これには理由がある。まだ平均寿命が短かった古代社会では、寿命を知ることは重要なことだった。人生における開運や成功が示されていても、その前に死んでしまっては意味がないからである。特に幼児の夭折するかどうかが両親にとっては重大な関心事だった。そんな理由から、寿命計算の技法が発達したのである。寿命計算にはいくつもの技法があるが、残念ながらこれ一発で寿命がわかるというような技法は存在しない。いくつかの寿命計算の技法を組み合わせて慎重に推測しているのが実態である。

インド占星術では、まず寿命について下記のようにいくつかに分類する。

1 バラリシュタ  8歳まで
2 ヤガリシュタ  8歳から20歳まで
3 アルパユ    32歳まで
4 マドラーユ   32歳から70歳まで
5 プルナーユ   70歳から100歳まで

そして、3つの組み合わせに基づいて、その人が短命か普通か長寿かをまず大きくとらえていく。その組み合わせとは、

1 ラグナの支配星と8室の支配星の位置
2 ラグナと月の位置
3 ラグナとホーララグナの位置である。

長生き
70歳から100際までの寿命が保証されるホロスコープ

たとえば、プルナーユと呼ばれる長寿の配置は、ラグナの支配星と8室の支配星が活動星座(カーディナルサイン)にある場合である。上図に見るように、ラグナの支配星である木星は、天秤座に在住している。8室の支配星である月は、牡羊座に在住している。天秤座、牡羊座のどちらもカーディナルサインである。このようなホロスコープの場合、70歳以上の長寿が保証される。それでは短命の場合はどうなのかということになるが、これについてはうかつに書くと気にする人が出てくるので、ブログでは書かない。そもそも寿命計算などやたらにするもではない。いずれにしても、ひとつふたつの寿命計算の技法だけで寿命の長さが決定されるものではない。そのような神秘の秘伝秘儀など存在しない。代表的な技法にバラリシュタの把握、生まれた時間による計算方法、分割図による方法等がある。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(6)〜脳梗塞よりの奇跡的回復〜
少子高齢化社会に入ると、医療健康問題が社会問題化してくる。その中でも癌、高血圧、糖尿病等の成人病やアルツハイマー等の老人疾患は誰もが気になる。こういう患者をかかえる家族も悲惨だ。介護疲れ、治療費、生活費等の問題が必ず伴う。例えば、高血圧、動脈硬化、脳梗塞等の病気を例にとって見よう。これらの病気の為に、突然肉親が死ねば当然家族は嘆く。しかし下手に一命を取りとめると、今度は後遺症が残り、本人の不自由さはもちろんのこと、家族も介護に追われる。

そうした中で、占星術のできる範囲の中で「医療」問題に貢献できる分野がないかなと思うことがある。占星術や占いと医学というのはもともと密接なつながりがある。占星術師として有名なパラケルススやノストラダムスはもともと医者である。ホロスコープで星の動きをみて、病気の治療を行っていた。インドのアーユルベーダ医もしかりである。鍼灸師も陰陽五行に基づいて治療をする。しっかりした研究をすれば役に立てる分野があると思う。

しかし、占いと医療ということになると、その境界線の線引きを明確にしておく必要がある。そもそも医療行為そのものを医師以外の者がやってはならない。代替医療従事者等も資格免許が必要だ。心理治療でも同じである。臨床医学の理論のしっかりしたベースをもつカウンセリングと、まやかしの癒しやいかがわしい心霊治療等とは明確に分けなけなくてはいけない。ここの所の境界線を踏み越える愚かな占い師、祈禱師及び依頼者が時々いる。こういうことが時々起こるから、占いや宗教が社会問題視されるのである。この問題についてはまたじっくり取り上げたい。

脳梗塞は代表的成人病である。軽度の脳梗塞なら適切なリハビリでほぼもとに戻るが、一般的に、脳梗塞と起こすと必ず後遺症が残る。事例のNさんもまず駄目だろう医師から言われていた。ところが奇跡的に助かり言語障害等の後遺症も残らなかった。

IM
脳梗塞より奇跡的に回復したNさんのホロスコープ

Nさんのホロスコープを分析してみよう。蟹座の1室にあるケートゥ、水星がムルチュバーギャになっている。寿命の喪失を意味するマーラカの2室には太陽があり、これが蟹座に近い位置でガンダータとなっている。どちらも1室の太陽も占星術的には「頭」の象意がある。1室には減衰の火星もあり頭や血液に関する病気なら、しかるべき時期に起こしてもおかしくない。

脳梗塞の引き金となった動脈硬化の原因、つまり原因の原因は糖尿病にある。そういう具体的な健康をみるにはドレッカナチャートを見るとよい。ここに見事に表れている。

IM3
Nさんのドレッカナチャート

Nさんのドレッカナチャートでは、腎臓病、糖尿病の象意をもつ金星に対して土星、火星、太陽の3凶星がアスペクトしている。金星自体がドゥシュタナの12室に在住している。これが脳梗塞の遠因となっている。一方でNさんのラーシチャートの11室の幸運の木星があり、もともと病気からの回復力のあることを示す。4室には方角を得ている強力な月がありこれが又強い回復力をもたらしている。アセンダントからだけでなく、太陽ラグナ、月ラグナから見ても強い回復力示す表示がある。

Nさんが倒れたのは、ケートゥ/金星/水星期である。マハーダシャーのケートゥがムリュチュバーチャでありアンタラダシャーの金星が腎臓、糖尿病の強い傷つきをもつので、この時期に健康上大きな問題をもつことは十分に予想がつく。プラアンタラダシャーの水星もムリュチュバーギャである。トランジットでみても太陽、金星がラーシの蟹座の上にちょうど来ている。だから、この時期が健康上の問題発生のトリガー(引き金)となる。太陽がガンダータであればそれが脳梗塞という形で出てもおかしくない。

しかし、倒れてから1ケ月後にアンタラダシャーが太陽に切り替わる。太陽はラーシチャートでこそ傷ついているが、分割図ではナバムシャでもドレッカナでも傷ついていない。ナバムシャでは高揚、ドレッカナとドゥバダシャムシャではいずれも定座にある。つまり太陽は金星のように分割図においても傷ついてはいない。太陽の方が分割図ははるかに強力である。もし、倒れた金星期に死ななかったのあれば、太陽期には確実に回復する。太陽は分割図においてはかなり強力でるから、もともとのラーシチャートの示すカルマから見ても、無傷ではないがたいした後遺症は残らない。これらが、Nさんが奇跡的に回復した占星術的理由である。


この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
医療占星術(5)〜ホロスコープが示す寿命:夭折した子供〜
寿命計算の技法はインド占星術の本でよく見かける。しかし、「人がいつ死ぬか」というテーマについて、通常、まともな占星術師なら日本でもインドでもそのようなことは滅多に見ない。やたら人の寿命計算をするとむしろ弊害の方が大きい。その様な事柄をみていたづらに人の心に不安を掻き立てることは慎んだ方が良い。占星術はあくまで人の幸福の為にするものである。ただ例外がある。子供が生まれた時、その子供が幼くして夭折する可能性があるかどうかを見る習慣がインドにはある。インドでは今日でも乳幼児の死亡率が高い。昔ならなおさらのことである。親が子供のことを心配したことから生まれた習慣であろう。もし短命と出たら、両親は神に祈るなりムフルタを行うなりしてできるだけの手当て尽くすだろう。あくまでそのためのものである。だが、「インド占星術では寿命計算ができる」とそこだけがやたら誇張歪曲されて日本に伝わっているきらいがある。そこの所だけが興味本位で、一部占いマニア間で妙に強調されるのは困ったものである。

子供の寿命について、B.V.Raman師の著作に面白い紹介記事があるので紹介したい。しかし、あくまで占星術研究に役立てる為のものである。

短命
短命の人のホロスコープ

1938年にインドムンバイで生まれた子供の例である。出生時は木星ー木星期にあたっている。アセンダントラグナから見ると、木星は8室支配で7室に在住している。月から見ると木星は3室と6室を支配している。土星は6室と7室を支配して8室に在住し、2室の火星にアスペクトしている。アセンダントは8室の支配星である木星からアスペクトを受けている。アセンダントの支配星である太陽は2室と11室の支配星である水星と4室でコンジャンクションしている。この子供は1939年8月に死亡している。

このように、アセンダントと木星からみて3重、4重にマーラカ、ウパチャヤ、ドゥシュタナが絡んでいる。一方で、ケンドラやトリコーナのハウスが絡むこともない。そうすると寿命や死の問題が生じる。
この記事のリンク | 医療占星術 | comments(0) | trackbacks(0) | top↑ |
<< | 2/3PAGES | >>